歯が・・・歯がぁああああああ!
うるさい、とりあえず歯医者行け。
以前、長期入院となってしまった時の話を。
まずこの物語は突然の歯の痛みから始まります。
ア、アカン、なんかめっちゃ歯が痛い・・・
下の奥歯だが、物を噛むとめちゃくちゃ痛いのだ。
虫歯とは違うような、冷たい物、熱い物、硬い物、柔らかい物、一切関係なく、とにかく歯を合わせると痛い。
虫歯かこの野郎と思ったので、歯磨きとマウスウォッシュを念入りに行ったが改善はしなかった。
というか虫歯自体無いので、なんだコレ状態だった。
いよいよ日常生活にも支障が出るほどの痛みを伴い始めたので、僕は泣きながら歯医者へと行く事になった訳です。
歯根に膿が溜まってるヤツです
椅子に座り口を大きく開けること2分。
あぁー・・・これはヤバイなぁ・・・
えっ?先生それは言ったらいけないセリフでは・・・
しばらく無言の先生と歯科助手の皆さんに、事務的に歯のレントゲンやらなんやらたくさん撮られた後僕はしばらく待合室で待たされた。
歯根嚢胞(しこんのうほう)ですね。ここでは治療できないぐらい進行してるので病院行ってください。紹介状出します。
な、なんですとぉおおおおおお!!??
全然聞いた事ない病名を言われた僕は、訳わからんままに痛み止めを処方され、紹介状を片手に大きな病院に行く事になった。
『歯根嚢胞』ってのは、簡単に言うと歯根に嚢胞(のうほう=液状の内容物が入った袋状のもの)ができる病気みたいです。
歯根に溜まった膿で顎の骨が溶けてました
病院で近未来的な機械でたくさん写真を撮られた。ここまで写真を撮られたのは七五三依頼だった。
自分の顔が輪切りになってたり、頭蓋骨丸見え状態だったりと、新鮮な気持ちでレントゲン写真を見つめる僕。
はい、ここの歯の下の骨が溶けて無くなってますね。
もうそれアカン奴ですやん先生・・・
お医者さん曰く、歯根嚢胞自体が『自覚症状が少ない』もので、レントゲン撮影をしてはじめて気づくケースが多いようで。
噛んだときに嚢胞が圧迫されたり、大きくなった嚢胞が周辺の神経を圧迫したりして初めて痛みが出るようになるとの事。
歯根嚢胞自体発見が遅くなることが多い為、自覚症状が出た頃には僕の様にかなり進行しているケースも多いのだとか。
今回歯根嚢胞が出来た歯は、10年程前に神経を抜く治療をした歯で、その時にしっかりとした治療が出来て無かったことが原因だと聞かされた。
僕の脳裏にあの歯医者の先生の顔が浮かぶ。
あ、あのヤブ医者がぁああああああああ!
手術はツライよ
とにかくこのままでは顎の骨が無くなるし、他の歯にも影響が出るという事であれよあれよと言う間に入院、手術の話が進む。
ちょ、ちょっと待ってください!会社に休めるか連絡を・・・
は?自分の体を一番に考えてください。
自分の体より仕事の事を考えてしまう僕はとことん社畜だと思った。
そしてあっという間に入院。
手術前日は、全身麻酔という事で食事も食べられず、脱水を防ぐ為にと訳わからん味の飲み物を飲み干すミッションを与えられた。
手術前から僕の心は折れそうだった。
身体に色々な物を刺されて手術室へと運ばれた。
ヒヤリとしますからねー、ゆっくり息をしてください。
あ、は、はひ・・・
ズボンは脱がせますねぇ。
あ、ちょ、今日のパンツはキャラクター物で・・・
はい数えます、1・・・2・・・3・・・
ちょ・・・人多過ぎ!・・・恥ずかし・・・
その後は記憶にございません。まったく記憶にございません。
気が付けば僕は病室のベッドにいました。頭はボーっとするし、身体は怠かった。
歯は一本無くなるし、飯は食い難いし、入院は長いし
結局、歯は丸ごと抜歯しないといけなかったので、僕の奥歯は一つ無くなりました。
この歳で歯を無くしてしまった喪失感は結構堪えました。
ブドウみたいに連なった膿の袋がたくさん取れたよ(ニコッ
先生の笑顔を見て、なんだか悲しくなった。
しかし本当に大変なのは術後でした。
とにかく飯も食い難し、喋るのもままならない、口の中は常に血の味するし。
痛み止めが無いと寝れない寝れない。
点滴常に繋がれてるので、寝相の悪い僕には地獄でした。
唯一の救いは看護婦さんが可愛かったこと。
口元の血を拭いてくれたり、身体を拭いてくれたり。
地上にも天使はいるんだなぁと実感した。
全国の看護婦の皆さん、毎日お仕事お疲れ様です。
まとめ
その後、なんだかんだやっとの思いで退院でき、無事に仕事にも復帰することが出来ました。
退院後もしばらく顔が腫れてましたが、日常生活に戻れた喜びの方がデカかったです。
ただ毎日ベッドでニュースを見続けるのが一番ツラかった・・・
無くなったところにはさし歯を入れたがしばらく食事は苦労した。
なんにせよ、歯が痛いだけと甘く見るのはいけない。
少しでも異常があったら早めに病院に行くのが一番だ。
たかが歯と甘く見ることなかれ!
※ちなみに歯とは違い、溶けた骨についてはコラーゲン?をぶち込ん頂いたみたいで、時と共にしっかりと新しい骨が作られるのだとか。今は普通に暮らせてるし、人体って凄い。
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